論文抄読会
第7回消化器外科論文抄読会を開催(2024年10月26日)いたしました。
2024年10月29日
開催日:2024年10月26日
司 会:宮坂俊光先生
指導医:櫻澤信行先生
発表者:鈴木幹人先生
論文名:
1:CLDN18.2 expression and its impact on prognosis and the immune microenvironment in gastric cancer, BMC Gastroenterology (2023) 23:283
2:Zolbetuximab plus mFOLFOX6 in patients with CLDN18.2-positive, HER2-negative, untreated, locally advanced unresectable or metastatic gastric or gastro-oesophageal junction adenocarcinoma (SPOTLIGHT): a multicentre, randomised, double-blind, phase 3 trial, Lancet. 2023 May 20;401(10389):1655-1668.
3:Zolbetuximab plus CAPOX in CLDN18.2-positive gastric or gastroesophageal junction adenocarcinoma: the randomized, phase 3 GLOW trial, Nat Med. 2023 Aug;29(8):2133-2141
今回の発表は鈴木幹人先生です!
鈴木先生は上部グループのエースとして日々胃癌診療に尽力してくれています。胃癌診療における最新の治験を3本の論文を通してご紹介してくださいました!
今回はClaudin(クローディン)に関するお話です。
Claudin 18.2(CLDN18.2)は細胞接着に関わる膜貫通型の蛋白であり、正常の胃粘膜に発現していますが、胃癌においても約40%で陽性例が認められます。Claudin 18.2は進行性胃癌の新しい治療ターゲットと考えられています。
論文概要
1:CLDN18.2は腫瘍組織において低レベルで発現しており、胃癌患者の独立した予後因子として機能している。CLDN18.2は免疫浸潤細胞およびPD-L1発現と相関する。
2, 3:CLDN18.2陽性かつHER2陰性の治癒切除不能な進行・再発胃癌・食道胃接合部癌の患者において、Zolbetuximab+mFOLFOX6、Zolbetuximab+CAPOXはplacebo群と比較してPFSとOSを有意に改善した。Zolbetuximab+mFOLFOX6およびZolbetuximab+CAPOXはCLDN18.2陽性の患者における新たな初回治療としての選択肢となる可能性がある。
抗Claudin18.2モノクローナル抗体であるゾルベツキシマブの臨床試験の結果を中心にテンポ良く分かりやすい発表でした。
様々な癌種で次々と新しい治療薬やコンパニオン診断が出てきており、常にアップデートすることが重要ですね!医局全体で相互に学べる機会があるのは本当に貴重だと思いました(ハイブリッドなのも嬉しい)!次回もよろしくお願いします!
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