論文抄読会

第9回消化器外科論文抄読会を開催(2024年12月14日)いたしました。

2024年12月17日

開催日:2024年12月14日
司 会:山田岳史先生
指導医:室川剛廣先生
発表者:香中伸太郎先生
論文名:Performance of ChatGPT on USMLE: Potential for AI-assisted medical education using large language models
掲載雑誌:PLOS DIGITAL HEALTH

今回の発表は大学院生の香中先生にやって頂きました!
香中先生は大腸班の大学院生として、大腸癌の最新の研究を行っています。日々の実験や論文検索でChat-GPTを積極的に使用していた所、正確性に疑問を持ったそうです。Chat-GPTの現在の正確性や使用方法に調べたことに関して情報共有をしてくれました。
概要としては、米国の医師国家試験であるUSMLEをChat-GPTが回答するとどのような結果になるか、を検討した論文です。Chat-GPTは現在、アメリカの医師国家試験に合格することが可能であり、与えられた情報から十分に診断、治療まで行える可能性があるレベルにあることがわかりました。しかし間違っている、わからない問題に対して根拠のない説明やこじつけのような回答を提示してくる事象があるそうです(hallucination)。正確性、確実性が重要な医療分野で、わからないことに間違った情報を出してしまうのは、深刻な問題ですね。臨床・研究・教育においてAIを駆使していく時代に突入しておりますが、使い方や向き合い方を常にupdateしていく必要があるということを考えさせられました。討論では、司会の山田先生からの実際の生成AIの臨床や研究における活用方法や便利なプロンプト作成方法の紹介もあり、非常に勉強になりました!また、医局員の生成AIの捉え方も多様で、教育・臨床・研究での使用方法に関する議論が盛り上がりました。生成AIなど新しい技術や知識を積極的に活用し、効率性や生産性を高めていきましょう!生成AIの進化は著しく、近い将来医師の仕事も一部が生成AIが担うことが予想されます。実際に診断や画像診断、病理診断では活用が現実的になっています。我々の手術はなかなか代替されにくい分野です。それ以外にも生成AIが代替することができない、患者さんやスタッフとの信頼関係を構築するための倫理観や人間性を育む医局でありたいですね。
今回は香中先生の写真が撮れなかったため、ChatGPTに香中先生の写真を作成してもらいましたw HPの香中先生と比べてみてください!個人的にはTシャツのロゴが笑えました。次回もよろしくお願いします!

日本医科大学付属病院消化器外科論文抄読会
日本医科大学付属病院消化器外科論文抄読会


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