論文抄読会
第12回消化器外科論文抄読会を開催(2025年3月22日)いたしました。
2025年3月31日
開催日:2024年9月21日
司 会:清水先生
指導医:高橋吾郎先生
発表者:加藤侑先生
論文名:Association Between Surgeon Stress and Major Surgical Complications
掲載雑誌:JAMA Surgery Published online January 15, 2025
今回の発表は専行医2年目の加藤先生にやって頂きました!
加藤先生は兄貴肌で頼りになる存在です!
どんなに仕事に追われていても、大変さを見せない器の大きさを持っています!
そんな加藤先生から今回、外科医のストレスと手術成績に関しての論文のご紹介です!
論文内容
フランス リヨンで行われ、38人の外科医を対象としています。ストレスの評価方法としては、手術開始5分での交感神経、副交感神経の比(LF/HF比)を測定し定量化しました。結果としては、外科医のストレスが高いほど(LF/HF比が高いほど)、手術合併症が減少しています。(調整オッズ比[AOR] 0.63, 95% CI 0.41-0.98, P = .04)
先行研究では、ほとんどがtraineesやシュミレーションを用いている中で、本研究は主治医や実際の患者を対象としている点、また手術開始5分のストレスに着目している点が本研究の特徴と言えます。
開始5分に着目した理由としては、
・手術開始前のストレスは評価が困難→外部要因によって、大きく変動してしまう。
・開始直後が手術内容に影響を受けない主観的ではないストレス→術式、術中イベントに依存しない、介入の余地がある。
・測定の実用性と標準化→手術時間の違いに影響を受けない。
などが挙げられます。つまり、開始5分のストレスをうまく調節できれば、手術成績の向上を図ることができる可能性があるということが言えます。
外科医のストレスとパフォーマンスの関係を調べた興味深い研究でした。
最初、加藤先生がストレスを感じ過ぎている、と言うメッセージかと思いました。しかし、論文の結論から、俺にもっと心地よいストレスをよこせってことでしたので、安心しました!!さすが、アニキ!
何事も入りが大切、適度なストレスが大切!
ストレスはコンフォートゾーン(快適)、ラーニングゾーン(不安)、パニックゾーン(恐怖)に分けられます。成長を促すためには、適度にコンフォートゾーンの外に出て、ラーニングゾーンに入ることが重要と言われています。まさに加藤先生ですね!
我々もプロとしてパフォーマンスを高めるため、ストレス管理をチームで考えていきましょう!!
2024年度の消化器外科論文抄読会が終了しました!
たくさんの学びがあり、個人のレベルアップだけではなく、チームの結束力も高まったと感じます!
来年度もよろしくお願いします!!