主な病気とその治療

腹腔鏡下胆嚢摘出術

胆石症や胆嚢ポリープに対して胆嚢ごと取り出す手術です。
「腹腔鏡下」とは従来のお腹を大きく切る方法(開腹手術)とは違い、臍を含めてお腹に小さい穴(2-3mm)をあけて行います。
当院では臍部をきれいに縫う方法を独自に考案し、術後の痛みが軽いだけではなく、傷跡も目立ちません(個人差はあります)。
入院から退院まで約1週間です。

対象となる疾患

胆嚢結石症

胆嚢内に結石が形成される疾患です。
「5F」(Forty[年齢] Female[女性] Fatty[肥満] Fair[白人] Fecund/Fertile[多産・経産婦])は胆石症の代表的なリスクファクターと言われています。脂質異常症・食生活習慣・急激なダイエット・胆嚢機能低下などが胆嚢結石形成に関連する因子と言われています。
胆石発作を起こすと右季肋部痛の症状が出ます。
有症状の症例は一時的に症状が治まってもほとんどの場合繰り返すので原則的に手術が望ましいです。特に高齢の方の場合は重篤な状態で再発するケースも稀ではありません。
無症状の症例は原則的に経過観察です。

胆嚢ポリープ

胆嚢の中にできる"できもの"です。
基本的に症状はないので健康診断などをきっかけに指摘されることが多いです。
"できもの"の種類としては胆嚢腺筋腫症・胆嚢コレステロールポリープ・胆嚢過形成ポリープ・胆嚢腺腫・胆嚢癌が挙げられます。 基本的に検査だけで正確に診断をつけるのは難しいです。
癌のリスクが高いもの(大きさ・形・血流有無)は手術を行います。

手術方法

先ずお臍に12mmのポートを入れます。
その後残りのポートを入れます。
胆嚢は肝臓にへばりついているので胆嚢の周りを切開して肝臓から離していきます。
胆嚢を栄養する動脈(胆嚢動脈)と胆嚢から総胆管へ繋がる管(胆嚢管)を見つけクリップして切ります。
症例によっては胆嚢管に造影用のチューブを入れ術中胆道造影を行います。
胆嚢を肝臓から完全に剥がします。
臓器回収用バッグを用いて胆嚢を臍から体の外へ摘出します。
傷をきれいに縫って手術を終了します。 傷をきれいに縫って手術を終了します。

炎症がない症例であれば1時間程度で手術は終わります。

入院期間

凡そ4日間です。

一般的な入院スケジュール
入院1日目
麻酔科診察、手術準備
入院2日目
手術
入院3日目
食事、水分が開始となります。血液検査とレントゲン検査を行います。
入院4日目
創部のガーゼを外し、退院となります。

退院して2週間後に最初の外来があります。
創部の確認と摘出した胆嚢の病理結果をお伝えします。

医療機関の方へ

黄疸や肝機能障害が認められた時や、CTやエコーで胆嚢の異常、胆管拡張、胆石を疑った時など、即ご連絡ください。予約外でも必ず診察いたします。


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